コラボか? 吸収合併か?

<第5章 そして作家が消えた>

---2 出版社も消えた―――ネット場を巡って

④―――集英社講談社の交差(クロスオーバー)

 

キャッチコピー「小説+漫画=未体験快感」で先行した集英社の『ジャンプノベル』。

キャッチコピー「闘うイラストーリー・ノベルスマガジン」で後発となった講談社の『ファウスト』。

両者は、講談社の『コミックファウスト』創刊の年、交差していく。

 

太田克史は、『コミックファウスト』(2006)で、当時、小学館集英社プロダクションによる「VIZ Media」で日本の漫画を世界へ売り込む成田兵衛(北米版『SHONEN JUMP』初代編集長)のインタビューと、当時の『週刊少年ジャンプ』の編集長・茨木政彦へのインタビューを掲載する。

その後は、講談社BOXレーベルスタート時、「大河ノベル」と題し、12ヶ月毎月1冊を出すプロジェクトをスタート。

清涼院流水西尾維新(ともに2007)・島田荘司(2008-)と続いて、第1回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞者の定金伸治を起用する(2009-)。

定金は、『パンドラ』の編集長を務めた北田ゆう子の呼びかけに応えた。

 

また、西尾は、『週刊少年ジャンプ』連載漫画『DEATH NOTE』が終了した年、スピンオフ小説『DEATHE NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』(集英社)を発表(2006)。

CLAMPの漫画『×××HOLiC』のオリジナルノベライズ『×××HOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』(講談社)と同時発売というものだった。

その後も西尾は、『週刊少年ジャンプ』で『めだかボックス』(作画・暁月あきら)の漫画原作を担当(2009)。

小説化も行った(ジャンプ ジェイブックス)。

さらに、『大斬―オオギリ』と題した取り組みを行う。

ジャンプ編集部からのお題を元に、西尾が原作を書き、主に集英社を拠点とする漫画家たちが読み切り漫画化。

『週刊少年ジャンプ』『ジャンプSQ』『週刊ヤングジャンプ』『別冊マーガレット』集英社漫画誌4冊で試みられた(2014-15)。

現在は、原作を手がける『症年症女』(作画・暁月あきら)が『ジャンプSQ』で連載中となっている(2015-)。

 

2011年、集英社は、荒木飛呂彦30周年と『ジョジョの奇妙な冒険』の20周年を記念して、『週刊少年ジャンプ』の人気連載漫画『ジョジョの奇妙な冒険』に基づいた小説化を行う。

このとき、上遠野浩平西尾維新舞城王太郎の3名が執筆。

ジャンプ ジェイブックスから発売された。

舞城王太郎は、講談社ノベルス電撃文庫KADOKAWA アスキー・メディアワークス)・メディアワークス文庫KADOKAWA アスキー・メディアワークス)をまたにかける覆面作家で、乙一ら複数の作家による“越前魔太郎”の活動に続いた(2010)

 

このブロックの最後に、以下も記しておきたい。

中央公論社は、経営危機から読売新聞社の全額出資を受けて中央公論新社となったのち(1999)、読売新聞グループ本社の100%子会社となった(2002)。

角川書店は、現在、カドカワとなった(2015)。

KADOKAWAグループとして、角川書店ライトノベルを扱う富士見書房コンピューターゲームトレーディングカードも扱うメディアファクトリー、テレビゲームやゲーム雑誌も扱うアスキー・メディアワークスらの出版事業。

そして、映像を中心としたIT事業のドワンゴを傘下としている。

 

 

*原典:

私家版『文芸メディア発展史~文芸家/写真家/編集者の追いかけっこ~』(2016年9月発行)

*主な参考資料:

「編集部に質問状:「四方世界の王」 オリエント覇者は? 12カ月連続刊行ファンタジー“大河ノベル”」(2009/ http://mainichi.jp

 

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筆者執筆参加。文芸家26名のポートレイトを収めた写真冊子『著者近影』(松蔭浩之撮影・デザイン/男木島図書館2016年4月発行)は、MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店(渋谷)、タコシェ(中野)、NADiff a/p/a/r/t(恵比寿)の店頭などにて、現在手にとって頂けます。

収録文芸家:
青山七恵/池井戸潤/池澤夏樹/冲方丁/大野更紗/金原ひとみ/京極夏彦/窪美澄/沢木耕太郎/篠田節子/高橋源一郎/滝口悠生/谷川俊太郎/俵万智/辻村深月/堂場瞬一/早見和真/平野啓一郎/穂村弘/三浦しをん/道尾秀介/本谷有希子/森村誠一/山田詠美/吉田修一/吉本ばなな